モルモン書の「ファン」を増やしたい。BoM HEROES スタッフインタビュー

最終更新: 2月15日



"BoM (=The Book of Mormon) HEROES Card Game",日本語で「モルモン書ヒーローズカードゲーム」のプロジェクトリーダーで発起人,そして自身でイラストレーターも担当する杉本拓也兄弟に,プロジェクトにかける想いを聞いてみた。

杉本拓也 29歳,埼玉県生まれ。

2016年「FSY」,2017年「ZDC」,2019年「AYC」といった教会イベントにて実行委員レベルの責任を果たすだけでは飽き足らず,2018年に発足した有志グループ「Team Arise(チーム・アライズ)」でもイベント企画をし続けるなど,ほぼ教会が趣味と化しているYSA。現在,福岡ワード所属。


ーまず、いつ頃からこのプロジェクトをやろうと思ったんですか?


杉本:「あえてすごく遡って考えると,昔から絵を書くのが大好きで,そしてカードゲームも大好きで,工作するのも大好きな子供でした。小学2年生の時,家で厚紙を見つけてはそれを切り,オモテにもウラにも絵を描いて,たくさんの友達に無料で手作りポケモンカードをプレゼントしていたのを覚えています。学校の机の前面に自作の看板を貼って受注をしていたのですが,担任の先生に厳しく怒られた記憶はないので,良い先生だったんですね(笑)。今の本職であるCMプランナーという仕事はカード作りとはまったく無関係なんですが,このプロジェクトの原点の一つは,そんな子供時代にもあるかもしれません。

実際にやろう,やれるかもと思ったのは,2018年にTeam Ariseが発足した少し後だったと思います。」


ーモルモン書に着目したキッカケは何だったのですか?


杉本:「まず福音関連アイテムを出そうとした時に,聖書全般をモチーフにするか,モルモン書に絞るかは,チームでかなりディスカッションをした記憶があります。『第一弾は聖書だけを扱った方が,教会外のクリスチャンにも広く売りやすくなるのでは?』という意見もありましたが,やっぱり目的は金儲けではないので。それに第一弾のあとに必ず第二弾をやれる確かな見通しもなかったので,せっかくやるからには,他のクリスチャンでも作れる聖書アイテムではなく,我々にしかできないものを作ろう!となったような気がします。


そもそもモルモン書は高校生くらいの時に初めて自分で読んで,個人の霊的な経験を通して真実だという証を得ていました。でもこのプロジェクトにつながる大きな影響を受けた経験としては,2011年から2013年までアメリカのカリフォルニア州で専任宣教師として奉仕したことだと思います。」


ーアメリカで何かヒントがあったということですか?


杉本:「はい。私にとってアメリカでの経験は,教会の見方がガラリと変わる衝撃的なものでした。今まで日本で自分が教会だと思っていたのは,これの真似をしているに過ぎないんだなーっていうか。福音というのは『守るもの』というよりは『生きる文化』で,それは本当にキリスト教的な家庭の中で『継承されていく』ものだというのを,伝統的なクリスチャンの家庭で目の当たりにした気がします。福音の基本的なリソースはほぼ完璧に翻訳されていても,日本の教会がここに到るまで,まだ何世代かかかるんだろうなと思いました。

もちろんアメリカの教会にも日本と同じような問題はあるし,問題のある人もたくさんいますが,その環境の成熟度はやっぱり数世代分の差があるのかなと。その表れの一つが,今回のモルモン書カードゲームのような福音ツールの存在です。」



ー福音ツールといっても,教会が公式に出しているものではないんですね?


杉本:「そうです。非公式ゆえに日本語に翻訳されず,流通もしていないので存在があまり知られていませんが,いろんな絵本や書籍,ゲームを作っている人たちの多さに驚きました。


最初のエリアである家庭を訪問した時,『リーハイの命の木の示現』の絵本を見せてもらったのですが,そこに出てくる『恐ろしい淵』には,渡ってくる人をキャッチする安全ネットとか,何だかよく分からないドローンのようなものが飛んでいたりと,子供向けに想像力とユーモアが爆発したイラストになっていた気がします(笑)。その家族は同じ絵本のシリーズを何冊も持っていて,子供が内容を私に説明してくれて。その時に,あ,これっていいんだ!ツッコミどころは満載だけど,これで子供たちはハマれるんだ!と思いましたね。」



杉本:「今回のプロジェクトについて人に話すと,『でもそれって教会の許可取れるの?』と心配してくれた方が何人もいたのですが,アメリカでは教会非公式でいろんなものが存在して,それらも込みで『福音の文化』が形成されていますからね。本当に日本には真面目な人が多いというか,上に従う,上から提供されるものだけしか許されない,それで十分,という思考が定着していると思います。私もそうだったんですけど。でも教会が什分の一を使って制作するのは,多数派の人たちの救いに最低限必要なものがどうしても優先されますから,それ以外のすべての「善いもの」(モロナイ7:24)は,有志で作るしかないはずなんです。日本でも非公式の集団が立ち上がらない限り,永久に成熟した福音文化に到達しないというのは,帰国して,特に学生時代に管理本部で一時期バイトしたあたりからずっと思っていました。現在こうしてTeam Ariseという有志集団でプロジェクトができているので,本当に良い仲間や機会に恵まれたなーと,感謝しています。」


ー豊富なツールがあると,子供や求道者は学びが楽になりそうですね!


杉本:「745ページ。日本語の『モルモン書』のページ数です。そこに登場する人物名・人の集団の名は,聖書と重複するものも含めると300近くにのぼります(*1)。地名や物の固有名詞は含めず『人』だけでですよ!これをお勉強だと思って読んだら,きついだけですよね。意味がわからない。事実かどうかもわからない。読んだら生活がどう変わるかもまだ分からない中で読むなんて,修行です。『読みたい,もっと知りたい』と心から思うためには、楽しめないとダメです。


一度モルモン書の『信者』になっても,教会を離れる人はたくさんいますよね。でも『ファン』だったらどうでしょう。ファンは,自分が大好きなものを簡単に手放したりしません。モルモン書に登場するヒーローたちから,ファンは普通の読者よりも熱心に多くのことを学ぶと思います。ただ真実だと『知っている』だけよりも,行動に移せるのではないでしょうか。適度なダイエットが体に良いということは誰でも知っているはずなのに,日々の行動に移せない人が多いのと同じことです。エクササイズに喜びを見出した人は,継続できるようになります。モルモン書に喜びを見出したファンたちは,より苦しまずに霊的な健康を維持することが可能になります。今回のカードゲームの狙いはまさにそこにあります。


私にとって『モルモン書のファン』の大きな模範は,母だったと思います。子供の頃,家族の聖典勉強の時間などを通して,母がモルモン書のヒーローたちについて深い洞察とともに語るのを聞いていたので,私にとっても彼らは生きた存在になっていました。今度は私たちがモルモン書のヒーローたちを描き出すことで,少しでも多くの人にとって彼らが『生きた』存在になればいいなと思っています。」



ー今後の実制作についてですが,本格的なカード制作は,クラウドファンディングの支援が集まってからになるのでしょうか?


杉本:「そうですね。現在ほぼすべてのカードの効果やルールは決まっていて,最終調整段階に入っていますが,イラストの作画の大半と,デザイン作業および印刷,販売システムの準備は,目標金額を達成しないと本格始動しません。それまでに公開できる情報は,支援の窓口となっているCAMPFIREプロジェクト紹介ページをご覧頂くか,Facebookページでも随時情報をアップしますので,そちらをチェックして頂きたいと思います。発売したら買おうかな〜…と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが,本当に発売できるかどうかはクラウドファンディング目標達成できるかに掛かっていますし,販売用の印刷枚数も,クラウドファンディングの反応次第ではかなり限定的にするかもしれません!(笑)ので,ぜひ一緒に本作を世に出すために,お力添え頂けるととても嬉しいです。よろしくお願いいたします!」◆



支援の受付は4月30日23:59までとなっている。目標金額に達成しなければ,プロジェクト不成立となり,支援金はパトロンに返却される。

支援額に応じてすべてのパトロンに送られる「リターン」のオプションや、収録カードの一覧など、詳細はプロジェクト紹介ページに掲載されている。↓


プロジェクト紹介ページ

(ご支援はこちらから):

https://camp-fire.jp/projects/view/210893/


Facebookページ:

https://www.facebook.com/BomHeroesCardGame/


Team Arise トップ:

https://www.team-arise.org/


*1……『Book of Mormon Who's WHO』-Ed J. Pinegar/ Richard J. Allen, Covenant Communications Inc.- の目次参照。